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母校に寄付した

10 Oct 2020

今年も母校の大学院に学生支援の寄付をした。寄付を始めて 3 年目になる。

1 番の理由は控除を受けるため。でも他にも理由がある。まずは自分自身が学費を工面するのに苦労したこと。そして自分は幸運にもいろんな支援をもらって学位を取れたことに感謝していること。高専から(就職を経て)専攻科、大学院といった高等教育にかかる費用は奨学金や政策支援、そして自分で稼いたお金で賄った。受けた恩をほそぼそと返しているつもり。

教育は格差を是正する優れた手段だと思う。今の自分が平均以上の収入を得られているのは、高度な教育を受ける機会に恵まれたからだ。その機会を得られたのは人並み以上に努力したこと、めぐり合わせの運の両方が作用している。

今年は BLM を契機に格差について考える機会がありその思いをより強くした。この思いは良質な教育を受ける機会に恵まれた人には分からないんじゃないかという諦観の念がある。教育格差による優位を意識する機会のない人に、運に恵まれた、という意識が芽生えることはない。能力に見合った対価をもらっている。たぶんそう思っている。そう思うのは当然だし何の問題もない。でも一方でスタート地点でついていた差をどのぐらい意識できているんだろうか、とも思ってしまう。職場での雑談や同僚のツイートから感じる疎外感はここからきている。

とはいうものの、自分は志が高いわけではないし、この違和感について真剣に悩んでいるわけでもない。節税をするにしても、一部はふるさと納税とかを使って自分の生活を豊かにしつつ、一部はちょっとした信条に基づいて寄付するのがいい塩梅かなと思う。